共用部分
共用部分とは、区分所有建物における専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物のことを言います。
具体的には数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室、区分所有建物全体の玄関部分、その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分などのことを指します。(法定共用部分)
また、本来、専有部分になりうる建物部分も規約によって共用部分とすることができ、これを規約共用部分と言います。
たとえば管理人室や集会室などは構造上区分されていますので、専有部分として利用することも可能ですが、規約によって共用部分とされているわけですね。
なお、この規約共用部分が共用部分であることについては、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができないとされています。
共用部分の共有関係
共用部分は、区分所有者全員の共有(一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有)に属します。
この場合の共用部分に対する各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積(壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積)の割合によります。
たとえば専有部分の床面積が200㎡の部屋の区分所有者は、専有部分の床面積が100㎡の部屋の区分所有者の2倍の共用部分に対する持分を持つことになるわけです。
なお、共用部分に対する各共有者の持分については規約で別段の定めをすることができます。
たとえば、専有部分の床面積に関係なく、各区分所有者の共用部分に対する持分の割合を同じとすることもできるわけです。
共用部分の持分の処分
共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従うとされています。
つまり、専有部分について売買契約等により所有権の移転があると共用部分の持分も共に移転することになるということです。
また、共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して共用部分の持分を処分することができません。
共用部分の持分だけの処分を認めると法律関係が複雑になるからです。
共用部分の保存・管理
共用部分の保存行為は各共有者が単独ですることができます。
共用部分の管理に関する事項(例;共用部分につき損害保険契約を締結すること)は、区分所有者及び議決権の各過半数の集会の決議で決します。
なお、両規定共に規約で別段の定めをおくことができます。
共用部分の変更
共用部分の重大変更(その形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更)は区分所有者及び議決権の各4分の3以上(区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができます。)の多数による集会の決議で決します。
共用部分の軽微変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更)は区分所有者及び議決権の各過半数の集会の決議で決します。
なお、共用部分の重大変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければなりません。
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