宅地建物取引士になるのはいつから?何が変わるの?
宅建業法の改正により、宅地建物取引主任者は宅地建物取引士に名称変更されることになったことは、既に多くの方がご存知かと思います。
では具体的にいつから宅地建物取引士に名称変更されるのかはご存知でしょうか?
今回の名称変更を含む宅建業法の改正は「平成26年10月1日公布、平成27年4月1日施行」とされています。
つまり平成27年4月1日から宅地建物取引士に名称変更されるということですね。
そしてこれを受けて、平成27年10月18日に行われる試験もまた宅地建物取引士資格試験と名称変更されることになります。
そう、今年度の試験の合格者は、栄えある第一回の宅地建物取引士資格試験の合格者ということになるのです。
これは非常に貴重なチャンスですよね。
是非、あなたも頑張って歴史に残る第一回試験の合格者となって下さい。
宅地建物取引士へと名称変更することによって何が変わる?
今回の名称変更に関して、受験生の方から「宅地建物取引士へと名称変更することによって何が変わるのか?」という質問をよくお受けします。
そこでここでは宅地建物取引士へと名称変更することによって変わること、あるいは変わることが予測されることを簡単にまとめておきたいと思います。
1.宅地建物取引士の義務等について明文化された。
宅地建物取引士の業務処理の原則
第十五条 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
信用失墜行為の禁止
第十五条の二 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
知識及び能力の維持向上
第十五条の三 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
これらの規定は試験対策上は、間違いなく重要です。
したがって、受験生の方は、確実におさえるようにして下さい。
ただし、規定の内容を見ていくと、これまでも社会常識に照らして、当たり前のことだと考えられていたことを、明文化しただけのものとも言えます。
そういう意味では、宅地建物取引士としての実務に特に影響を与えるような変更ではありません。
なお、第十五条が宅地建物取引士の業務処理の原則に関する規定に変更されたことにより、旧の十五条である宅地建物取引士の設置に関する規定は、そのまま第三十一条の三へと移行されています。
2.試験難易度の若干の上昇。
宅地建物取引士への名称変更に伴い、同試験の難易度が若干、上昇するものと予測されます。
資格の名称が変更されるということになると、自然と注目度は上がることになりますよね。
その影響で難易度が上がるだろうということです。
ただし、この難易度の上昇はあくまで「若干」のものと予測される点に注意して下さい。
したがって、試験対策の内容などは特に変更ありません。
難易度の上昇が予測されるからといって、安易に手を拡げた学習を行ってしまうと、かえって合格が遠ざかってしまう結果になりますので、絶対に手を拡げた学習だけは行わないようにして下さい。
名称変更があっても変わらないこと
では、宅地建物取引士への名称変更があっても逆に変わらないこととしては、どのようなことはあるのでしょうか。
受験生の方からよくご質問を受けることを中心に以下に簡単にまとめておきます。
1.宅建業を営むのには免許が必要であること
宅地建物取引士と名称変更されると司法書士や行政書士のようにその資格があって登録するだけで開業できるような錯覚に陥りますが、宅建業を営むためには宅地建物取引士として登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けるだけでは足りず、別途、宅建業の免許を受ける必要があります。
特にこれから、勉強を開始される方は、誤解されませんように。
2.宅地建物取引士の業務の内容
宅地建物取引士でないとできない業務の内容は、重要事項説明・重要事項説明書への署名捺印・37条書面への署名捺印の3つだけで、その範囲が特に拡張されたりはしていません。
3.試験制度
財団法人不動産適正取引推進機構のホームページには既に平成27年宅地建物取引士試験の概要が掲載されていますが、少なくとも2015年2月時点では試験制度の大きな変更は確認することができません。
ただし、今の段階で確実に変更なしと断じることもできませんので、特に独学の方は、6月に官報でなされる試験に関する告示をしっかりとチェックするようにして下さい。
まとめ
・宅地建物取引士への名称変更は平成27年4月1日から。
したがって平成27年の試験は宅地建物取引士試験として実施される。
・名称変更に伴い、以下のような変更がある。
1.宅地建物取引士の義務等に関して第十五条(宅地建物取引士の業務処理の原則)、第十五条の二(信用失墜行為の禁止)、第十五条の三(知識及び能力の維持向上)などの条文が置かれた。
2.試験難易度の若干の上昇。(こちらは予測)
・以下の点については変更なし。
1.宅建業を営むのには免許が必要であること
2.宅地建物取引士の業務の内容
3.試験制度(ただし、念のため官報のチェックは怠らないこと。)
・試験には多少の影響が出るものの実務にはほぼ影響がないものと予測される。
最近のコメント